きかんしゃの思い

いたずらきかんしゃというタイトルから、子どもの気持ちを代弁しているのだろう。

くたびれた大人の私には羨ましい限りだ。

文字の並びが線路のように見えるページもあって楽しめる。

 

 

しあわせの基準

これは、日本の昔話『わらしべ長者』の逆バージョンだ。わらしべ長者では、貧しい男がお金持ちの娘婿になったが、ハンスは金塊を手放したばかりか最後は何もなくなった。

それでも自分が一番幸せだと思ったハンスは、幸せになる方法を知っている。

『クリスマスものがたり』『おおかみと七ひきのこやぎ』とは異なる明るい色調がハンスの気持ちを代弁している。

 

 

 

 

グリム童話の教え

狼の末路が『赤ずきん』と似ているが、他にも類似箇所が多くそれが気になった。

七匹目のこやぎが見つからなかったのは、こやぎの機転というよりは運が良かったのか。赤ずきんも運良く漁師が通りかかった。

どちらも言いたいことは同じなので仕方がない。

 

おおかみと七ひきのこやぎ (世界傑作絵本シリーズ)

おおかみと七ひきのこやぎ (世界傑作絵本シリーズ)

  • 作者:グリム
  • 発売日: 1967/04/01
  • メディア: 大型本
 

 

深い色合いの白雪姫

最初のページに登場する雪の上の真っ赤な血のしずくがこれから起こる不幸を予見しているようだ。

今までの七人の小人のイメージを覆すような小人たちだが、この絵本では妙に馴染んでいる。

ラストは著者によって変更されているが、白雪姫が王子と結婚して幸せに暮らしたことに変わりはない。

 

白雪姫

白雪姫

 

 

おりてよorのせてって

タイトルが異なるが同じ絵本である。訳者はそれぞれ、たわらまちさんと長田弘さんで内容の訳文には大きな違いはない。

並べて見ると色具合は微妙に異なる。

たわらまちさんが後書きで述べているが、私も読み始めてすぐにノアの方舟を思い浮かべた。

そうだとすると、「のせてって」のほうがわかりやすいいかもしれない。

原著のタイトルは『Oi! Get Off Our Train』。

 

 

おーい、おりてよ
 

 

いっしょにきしゃにのせてって!

いっしょにきしゃにのせてって!

 

 

あひる

今回はお風呂での出来事。空想の世界にあひるが登場するするのはなぜ?と思っていたら、最後のページで明らかに。現実と空想の世界を結びつける道具だった。