訳者あとがきで、谷川俊太郎氏が子どもの秘密を分かち合える存在が必要であると述べている。
私は読んでいて真っ先に「ドラえもん」が頭に浮かんだ。
サブタイトルにあるように夢を見ているかのような不思議な話である。
小さな機関車が自分を作ったマチアスと再会するまでの旅路がシュールに描かれている。
それぞれのテーマを持ったページの色使いに惹きつけられる。
ハエがやけにリアルに描かれているのが気になった。カメレオンにとって生きていく上で一番大事なのは、ハエを捕まえる長いベトベトする舌なのだ。
物の長さを時間の長さに替えて測ろうとしたしゃくとりむしは危機を脱した。
誰だって外の世界を見たくて飛び出して行く。さかなのように元の場所に戻ってくるものもいるが、帰らずに留まったものもいるはずだ。