この村では家でココヤシの実からヤシ油を作る。絞りかすは池の魚のエサになり、ヤシの殻はかまどの燃料になる。無駄な物は一切出ない。目の見えなくなったおじいさんもホウキ作りの名人として村の一員として暮らしている。私たちが声高に唱えているSDGsがま…
りんごの花のめしべには他の品種のおしべの花粉がつかなければ実にならない。ふじの木になったのはふじの実だが、ふじの種から芽生えるりんごの木はふじではない新しい品種だそうだ。初めて知った。 『たくさんのふしぎ』第115号(1994年10月) 福音書書店 …
冬眠するねずみのヤマネは昼間も寝ている夜行性動物だ。冬眠中は体温を0度近くまで下げ心臓の動きを十分の一にしてエネルギーを使わないようにしている。学習能力もあってお互いに気持ちを伝えることができるらしい。 ヤマネはねぼすけ (たくさんのふしぎ傑…
海は国と国を隔てるものだと思っていたが、国と国をつなぐものだった。外国からだけでなく森や川、遠い島、海の底からもあらゆる物が浜辺に打ち上げられる。昔は流木は海沿いの人々にとっては薪として大事に使われていた。流れ着いたプラスチックのゴミは巡…
人間の手が入っていない森は、わずかな栄養分も無駄にしない循環型社会である。一生を終えたサケが流れてくる川にはクマが集まって来るが、餌が豊富な森では人を襲うことはないだろう。 森へ (たくさんのふしぎ傑作集) 作者:星野 道夫 株式会社 福音館書店 A…
確かに別世界だ。蜂のトゲ、クモの体も顕微鏡を通して見ると全く違ったものに見える。同じものは一つもない。何かしら図案のようにも見える。不思議な世界に見入ってしまった。 月刊たくさんのふしぎ 1991年12月号 ミクロの世界 作者:田中敬一 福音館書店 Am…
壁は外からの侵入を防ぐ役目があるが、中の人びとを閉じ込めてしまうこともある。心の壁も時には自分を守るために必要だ。 ベルリンの壁は壊されたが、ガザ地区の壁が新たに造られた。ゲットーの壁の悲しみを知る国によって。 月刊たくさんのふしぎ 1994年09…
人間だけが他の動物のミルクを飲む。母親が子どもに飲ませているのだから栄養価が高いことを知っていたのだろうか。ミルクからヨーグルト、バター、チーズを生み出したのは確かにミラクルだ。 月刊 たくさんのふしぎ みらくるミルク 1996年 02月号(第131号…
「となりの国」のベラウ(旧パラオ)、ロシア、韓国、チリ、中国、アメリアの子どもたちへのインタビュー、町の写真と彼らが描いた絵から成っている。ベラウ、ロシア、韓国、中国には今なお戦争(日本軍)の傷跡が残っている。「となりの国」だから攻め入っ…
日本の動物園で見かけるアルパカは、ペルーのアンデス山脈に住む人びとにとっては生活の糧である。30年以上前とはいえ、日本の私たちとはあまりにも異なる牧畜民の生活である。絵や写真のおかげで思わず引き込まれてしまった。 月刊 たくさんのふしぎ アンデ…
鳥のように大空を飛びたいいう思いが時代とともに人びとに引き継がれてきた。そして、それが今では空のはるか上の宇宙にまで広がっている。 月刊 たくさんのふしぎ 太平洋横断ぼうけん飛行 1994年 07月号(第112号) [雑誌] 絵本の家 Amazon
海底の岩に生えている花や草のような生き物は動物だということに考えが及ばなかった。小さな生き物たちは知恵を絞って工夫して生きていた。 月刊 たくさんのふしぎ 海は大きな玉手箱 1993年 08月号(第101号) [雑誌] moviestock2 Amazon
文字だけで書かれていたら手に取らなかったであろう。佐々木マキさんのイラストや漫画のような手法で楽しく読めた。壮大な宇宙とこのちっぽけな私がつながっているのは何とも不思議な気がする。 宇宙のつくりかた (月刊たくさんのふしぎ1992年10月号) 作者:…
この舞台から下りるときのことを頭の片隅に想う年齢になった。前世や来世を信じているわけではないが、『また会えるよ…100年たったら』と鳥がライオンに残した言葉は心に染み入る。そして、彼らは何度も姿を変えて出会うことができた。 100年たったら 作者:…
人間盆栽の姿でリヤカーに盆栽を積んで東海道を歩くのは確かに冒険だ。各宿場でプレゼントした盆栽はあまり登場しないが、盆栽が好きでたまらないことは十分伝わった。 ぼくは盆栽 (月刊たくさんのふしぎ1995年9月号)第126号 作者:沼田元氣 福音館書店 Amazon
母さんネコが子育てをしていてオスネコは何も手伝わない。巣作りから餌を得るための狩り、キツネなどから子ネコを守ることまで母さんネコの役割だが、ここでは自由に楽しそうに暮らしている。 月刊 たくさんのふしぎ 大草原のノネコ母さん 1996年 01月号(第…
カモたちの水中の行動を写真に撮りたいという思いから3年間試行錯誤を重ねて成功した著者。カルガモ親子の散歩しか知らなかったが、カモの世界も奥深い。 月刊 たくさんのふしぎ 水中さつえい大作戦 1995年 11月号(第128号) [雑誌] 絵本の家 Amazon
宇宙人キッピスの言葉は、地球に住む私たちの行動をあぶり出してくれる。かけがえのない星に住んでいることを思い出させてくれる。 月刊 たくさんのふしぎ 1994年6月号 キッピスの訪ねた地球 (たくさんのふしぎ) 作者:新宮晋 福音館書店 Amazon
虫こぶというのを初めて知った。今までに見たこともなかったが気づかなかっただけのかもしれない。卵から幼虫になり蛹から羽化して成虫になるという過程は同じでも実に様々な方法がある。 虫こぶはひみつのかくれが? (たくさんのふしぎ傑作集) 作者:湯川 淳…
戦後学校給食で主食として提供されたことからパンは身近な食べ物だ。世界中でパンが食べられているが、それぞれの地域で工夫を重ねてきた歴史がある。 月刊 たくさんのふしぎ 小麦ふくらんでパン 1992年 11月号(第92号) [雑誌] 絵本の家 Amazon
1769年パリの町を世界最初の蒸気の力で自動車が走った。日本最初の国産蒸気乗合自動車は岡山の町を走った。蒸気はやがてガソリンに、そして今では電気や水素に替わろうとしている。この本では最後に太陽エネルギーで走る車が紹介されている。 日本の自動車の…
川の流れが淀んだ所に住んで大人の河童でも背丈は4、5才の男の子ぐらいだったことからそう呼ばれたらしい。頭に皿をのせたその姿と行動は恐ろしい妖怪というよりはトリックスターだったようだ。 月刊 たくさんのふしぎ 河童よ、出てこい 1992年6月号(第87…
南極を目指した3人の冒険家たち、スコット、アムンセン、シャクルトンの中でアムンセンだけが目的地に達したが、他の2人の偉業もそれに劣るものではない。 月刊 たくさんのふしぎ 南極のスコット大佐とシャクルトン 1994年 02月号(第107号) [雑誌] 絵本の家…
80代から20代まで各年代の7人の10才のときの話。私は本の順番とは逆に20代の人の話から読み始めた。自分の10才のときの記憶をたぐり寄せるために時代を遡った。そして子どもの頃のいくつかのエピソードを積み上げていった。 10才のとき (月刊たくさんのふし…
単独で行動するネコの社会にもルールがある。なるべく他の猫と出会わないようにする。予定道を頑固に変えずにのんびりと道が空くのを待つ。他にもネコ社会のルールが述べられていたが、「さもありなん」と納得した。 月刊 たくさんのふしぎ ノラネコの研究 1…
アリジゴクには各地域で色々な名前が付けられている。それはアリジゴクを遊び相手とした子どもたちが付けたものだった。(38p) 人との関わりが多い生き物はそれだけ別名が多いということだろうか。 月刊 たくさんのふしぎ アリジゴク百の名前 1991年 09月号…
必ずしもピンチへの対応策が描かれているわけではない。こういうこともあるだろうなと事前に知っておくと慌てないかもしれない。 大ピンチずかん 作者:鈴木のりたけ 小学館 Amazon
算数には苦手意識があったが面白く一気に読めた。 「3×3=1+2+3+2+1」で小石を並べた説明では「目から鱗」だった。小学生のときに読んでいたら算数への意識が変わっていただろうか。 月刊 たくさんのふしぎ ぼくの算数絵日記 タイガー立石 1995年 01月号(第1…
ピカソの顔の絵は、「見る場所、つまり視点が一枚の絵の中にいくつもある」(p25)とのこと。 顔は、それを書く人の思想を表現するのに適しているのかもしれない。 月刊 たくさんのふしぎ 顔の美術館 タイガー立石 1994年 01月号(第106号) [雑誌] moviesto…
生きていくのに必要な水ではあるが、水がどのような働きをするのか考えたことはなかった。養分を運ぶだけではなく養分にもなる。実に働き者の水たちだ。 ニレの中をはじめて旅した水の話 (たくさんのふしぎ傑作集) 作者:越智 典子 福音館書店 Amazon 『たく…