流れてきたお椀

二人の兄が戻って来なかったので三番目の三郎が山梨もぎに出かけた。途中で婆さまから貰った刀は兄たちを飲み込んだ沼の主を斬りつけるためのものだと想像できた。

三郎が川で拾った欠けたお椀はどのように回収されるのか?それは三郎が助け出した青い顔をした兄たちに水を飲ませるのに使われた。

川で拾ったのは必然性があったのだ。

 

こどものとも 「母の友」絵本 (復刻版)』第42号(1959年9月)

『やまなしもぎ』日本民話 平野直/案 佐藤忠良/画 福音館書店