知恵と勇気

長者の娘の頬に自分の麦こがしを塗りつけて「食べられた」と嘘を言って泣きたてるのが知恵なのか? 他にも抜け目のなさが目立つが、この利口者は長者のはなこを嫁さまに射止めた。 解説によると一寸法師の系列に属するとのこと。 こどものとも復刻版Aセット〈…

誰かのために

一人ぼっちになったヒルダは育ててくれた家族のために松かさを拾いに森へ出かけた。小人のおじいさんはヒルダの優しい心に感心して銀の松かさをご褒美をくれた。ヒルダたちはそれを町中に配った。幸せを皆で分かち合うところにサンタクロースはやってきた。 …

のねずみの後悔

栗を独り占めしようとして結局イノシシに取られてしまったのねずみ。りすとうさぎは助け合って栗を家まで運ぶことができた。 りすやうさぎの表情や動きが豊かに描かれているが、のねずみの後悔にも感情移入できる。 こどものとも復刻版Aセット〈創刊号~50号…

汽車に乗る

いつも汽車に手をふる男の子は、車のついた椅子に座っている歩けない男の子。家庭の事情で病院で診てもらうことができない。 レールの破れ目に気づいて事故を防いだお礼で病院に入れることになった彼は初めて汽車に乗ることができた。 こどものとも復刻版Aセ…

汽車ポッポに乗って

知恵を働かせてオオカミとワシから同時に逃げることができたうさぎのがらんぼーごろんぼーげろんぼ。かえるのけろろと一緒に汽車に乗ってお山へ帰れは寂しくなくなるだろう。 こどものとも復刻版Aセット〈創刊号~50号〉 作者:M・フラック,アンデルセン,いぬ…

虫とり

虫についての知識がないので、虫の名前と絵に見入ってしまった。オニヤンマとギンヤンマの違いは絵ではわかったが、私には実際に見分けられないように思う。子ども時代に好奇心を持って虫とりをした経験がないからだ。 こどものとも復刻版Aセット〈創刊号~50…

みんなの力

幼稚園に入るとみんなで遊んだり片付けたり動物の世話をするようになる。ひとりで遊ぶよりもみんなでするほうが遊びが広がる。そして、家でもお母さんを手伝うと早くすむことがわかったようだ。 こどものとも復刻版Aセット〈創刊号~50号〉 作者:M・フラック,…

おにの物語

友だちのところへ遊びに行くような気持ちで鬼の城へ出かけたベニロイヤル。鬼におじぎをして笑うと鬼もつられて笑った。ベニロイヤルが城を見せてもらっていると、鬼の姿は消えて鬼のお面に羊の毛皮をかけようとしている男の子がいた。二人が仲良く遊んでい…

春を持っていく鳥

オーストラリアから日本を目指して飛んでいく渡り鳥のつばめ。途中嵐に出会うも無事に日本に着いて新しい家族が生まれる。一年中飛行機の爆音が響く沖縄にいる琉球つばめの言葉が重い。 こどものとも復刻版Aセット〈創刊号~50号〉 作者:M・フラック,アンデル…

幼稚園までの道

幼稚園に入るいちろうさんを心配しておもちゃのくまがお供についていくことになった。幼稚園までの道すがらも幼稚園にも春の息吹が満ちあふれていた。 こどものとも復刻版Aセット〈創刊号~50号〉 作者:M・フラック,アンデルセン,いぬい とみこ,グリム,クレメ…

自分のことは自分で

自分のこともできないのでは、犬の子をもらってきてはいけないとお母さんに言われたぼくは、着がえ、歯磨き、食事、掃除と自分でやってみた。ポストに手紙を入れるお手伝いもできたから、子犬の面倒も出来そうだ。 こどものとも復刻版Aセット〈創刊号~50号〉…

雪で冷やすと…

大雪の夜にりすの坊やの診察に出かけたねずみのお医者さん。途中でスクーターが止まってしまい冬眠中のカエルさんの家で眠ってしまった。翌朝りすさんの家に急いだが、坊や雪で冷やして治っていた。 絵を追っていくだけでも話の内容が理解できるようだ。 こ…

逃げ出したあまのじゃく

うりひめになりすましたあまのじゃくはカラスに正体を言い当てられて逃げ出した。俵に包まれて屋根裏に吊るされたうりひめは息を返して助かった。各地で語り継がれていた話には残酷な結末もあったようだが、温かい色調の絵と相まってこの終わり方に納得した…

アンデルセンと初山滋

幸薄い少女が可愛がってくれたおばあさんを思って天国に召される有名な話だ。色彩の美しい初山滋の絵が胸が締め付けられるような悲しみを癒やしてくれる。 こどものとも復刻版Aセット〈創刊号~50号〉 作者:M・フラック,アンデルセン,いぬい とみこ,グリム,ク…

愉快な仲間たち

お母さんが昼寝をしているすきにこっそり家の外へ出たうさぎのがらんぼーごろんぼーげろんぼは、牧場の外に住むいろいろな生き物と出会う。 楽しいこと、怖いことを経験して最後は眠ってしまったがお母さんと兄弟が迎えに来てくれた。 こどもの思いがこのう…

小さな機関車の気持ち

小さな汽車が石炭を運んで町ができ、小さな機関車が鉄やセメントを運んで発電所ができ、町や村に電気がついた。大きな機関車の登場で小さな機関車はまた石炭を運ぶだけになったが最後までやり遂げた。町の博物館に飾られて日本で一番古い機関車の歴史を語っ…

かくれみのとは?

てんぐかくれみのを着ると今で言う透明人間になれるのだろう。誰にも見られずにお城ヘ行ってお殿様のお饅頭を食べるのはいつの時代も子どもの夢だ。 かくれみのを燃やしてしまったひこいちが天狗の親子に追いかけられているのが表紙の絵で、最後のページがこ…

アザラシの故郷

日本の南極隊と一緒に南極ヘ行った赤ちゃんあざらのしろはウェデルあざらしの群れに出会い仲間になった。 大人になったしろは日本に帰る船を覚えていて泣きながら別れを告げた。 あざらしは南極から北の方へ分かれていったと言われていて南極だけに住むあざ…

ぞうのたまご

卵焼きの大好きな王さまが赤ちゃんが生まれたお祝いに国中の人をお城に呼んで卵焼きをご馳走するするため、大臣が象の卵を見つけに行くことになった。 卵から生まれる生き物も登場するが、作者のあとがきにあるように知識よりも絵の中で楽しむことが一番だ。…

ヤンとおうさましか

優しい目をした二匹の鹿と出会ったときからヤンは鹿に惹かれていたのだろう。鉄砲を撃つのを忘れて鹿が見えなくなるまで見送ったのだから。ヤンに追いつめたれた鹿もヤンには思いが通じると感じていたのかもしれない。 こどものとも復刻版Aセット〈創刊号~50…

ちょうちょーさんの命

ビップぼうやがしっかり捕まえたために、ちょうちょは土の上で動かなくなってしまった。 それを見たぼうやは捕まえたびんの中の白い蝶を空ヘ帰してやった。 こどものとも復刻版Aセット〈創刊号~50号〉 作者:M・フラック,アンデルセン,いぬい とみこ,グリム,ク…

くろみみうさぎになった?

サブタイトルにエヴェンキ民話とあるので調べてみたら、シベリア地方の少数民族のお話だった。 一人暮らしの猟師のおばあさんの外とうに潜り込んで眠る3匹のこうさぎが可愛い。 『こどものとも』456号(1994年3月) 『カンジカおばさんのおきゃくになったう…

新しい家

少々傷んだあたらしいうちをみんなみてほしくてパーティーのお知らせをあちこちにかけたうさぎのホッピー。そこへお客さんが次から次へとやって来て、とうとう家は崩れてしまった。 お客さんたちが今度は本当の新しい家を作ってくれたのはホッピーがみんなを…

ライオンはネコ?

坂田憲夫さんの詩は言葉遊びもあって早口言葉にもなりそうだ。織茂恭子さんの切り絵は色鮮やかで不思議で見入ってしまった。 イルミねこが まよなかに (月刊予約物語絵本 こどものとも 442号) Amazon

役割分担

どんぐり、ハチ、牛のフン、臼が力を合わせて悪者に復讐するのは『さるかに合戦』にも共通するストーリーだ。 お地蔵様は、親鳥から留守もりを頼まれた卵を同じ手口で三度も鬼たちに騙されて食べられてしまった。お地蔵様だけに信じやすいのだろうか。 『こ…

ばんば

子どもたちをさらって小さくして壺に閉じ込めていたばんばは、子どもたちが逃げ出してもう子どもを盗ることができなくなり寂しくて毎日泣いていた。 ことろのばんばは何者だったのか? 『こどものとも』416号(1990年11月) ことろのばんば (こどものともコレ…

大きな国と小さな国

大きな国は、兵隊がいなかった小さな国とは戦争ができなかった。大きな国の兵隊は小さな国では戦争という非日常ではなく、普通の生活を送ることができた。小さな国で体験した文化は大きな国にも幸せをもたらした。 せかいでいちばんつよい国 作者:デビッド …

川の水底

かっぱのガータロに誘われてかっぱの世界で楽しい日々を送っていたおっきょちゃん。流れてきた母さんが作ってくれた人形を見て家に帰りたくなってしまった。ちえのすいこさまの教えに従って元の世界に戻れたが、水底のことは何一つ覚えていなかった。 『こど…

ひばりとねずみ

ひばりのパピがイタチの背中をつついてくれたので、ねずみのちゅるりの子どもたちは助かった。 秋の草原、夜の嵐、嵐の後、夕焼け、月夜、夜明け前とそれぞれの情景が美しく描かれている。 『こどものとも』452号(1993年11月) 『ねずみのちゅるり』 白石久…

春のスープ

たんぽぽ入の豆スープは春の味がするとおおばあちゃん。にんじんスープを味見してすっかりカラッポになってしまったけれど、お鍋のアドバイスに従って春のスープができてよかった。 『こどものとも』486号1995年3月 おなべおなべ にえたかな? (こどものとも…